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遊園地進化論:USJが切り開く、価値と価格の新たなバランスゲーム

USJの大人一日券がなにやら10000円越えのようで。。。

news.yahoo.co.jp

ユニバーサル・スタジオ・ジャパンUSJ)のチケット価格上昇は、パーク側が見せる需要に対する反応であり、その戦略的な意図によります。来場者数が増加する夏休みやお盆といった特定のピーク期間にチケット価格を上げることは、一見すると利益増大の手法に見えますが、その背後にはさまざまな要素が存在します。

まず、2023年以降のUSJの展望について考えると、今回の価格上昇は新たな価格設定の実験とも捉えられます。需要が高い期間に価格を上昇させることで、一年を通してのパークの稼働率を最大化し、同時に収益も最大化することが目指されるでしょう。また、チケット価格の上昇はパーク内の新規アトラクションや設備投資に対する回収手段ともなり得ます。

次に、他の遊園地に対する影響について考えると、USJのような大規模なテーマパークが価格を上昇させると、他の遊園地もそれに追随する可能性があります。それは競争の観点からだけでなく、コストの増加や、より高品質なサービスを提供するための必要性からくるものかもしれません。

しかし、価格を上昇させることはリスクも伴います。特に、家族連れや若者など価格に敏感な層からは離反が起きる可能性があります。この問題は特に小規模な遊園地にとって重要で、USJのような大規模なテーマパークと比べて訪問者の獲得には限定的な予算しかないからです。

長期的には、このような価格戦略がテーマパーク業界全体にどのような影響を与えるのか見守る必要があります。価格競争だけでなく、各パークがどのようにユニークな体験を提供し、顧客の心を捉えるかが重要となるでしょう。価格上昇が一時的なものであれ、恒常的なものであれ、それがパークの価値を如何に高め、顧客に受け入れられるかが業界この価格上昇により、各テーマパークがより差別化されたサービスや体験を提供することで競争優位性を保つことが求められるかもしれません。具体的には、特色あるアトラクションの開発や、エンターテイメント性を高めるショーの導入、さらには一日を通しての体験価値を高めるためのレストランやショッピング施設の充実などが考えられます。

また、価格の高いテーマパークチケットを購入することで得られる体験の「価値」についても、消費者はより厳しく評価するようになるでしょう。これは、テーマパークが単なるレジャー施設から、価格に見合った「体験価値」を提供するエンターテイメント施設へと進化するきっかけとなる可能性があります。

これからのテーマパーク業界にとっては、価格と価値のバランスが求められる時代となるでしょう。その結果として、テーマパークが提供するエンターテイメントの質をより一層高めることが求められることになると予想されます。

一方、消費者にとっては、価格上昇による出費増を考慮に入れつつも、テーマパーク訪問の体験価値をどのように評価するかが問われることになるでしょう。そして、その評価が各テーマパークの競争戦略に影響を与えることとなるでしょう。

これら全体から見ると、テーマパーク業界はこれからも競争が激化し、その中で各パークが自らの位置付けと競争戦略を再定義する必要があると言えます。価格上昇はその一環であり、業界全体の成熟と共に新たなチャレンジが始まる一つのサインかもしれません。