SHIMIZU_NORIAKI

基本的にメモ代わり

人材流出論再考:日本の企業成功と中間管理職の役割

優秀な人が海外に出ていく論 vs 本当に優秀な人は日本で成功してる論

こいつに1つ抜けている物があるとしたら、本当に優秀な人が大きな仕事をするには、そこそこ優秀な部下が大量に必要であるという事実で、、、

日本で成功できる本当に優秀な人を1流
制度の整ったアメリカなら成功できる人を2流
それ以外を3流

日本から2流がどんどんアメリカに抜けていったとします。するとどうなるか?

日本で起業すると1流と3流ばっかりで中間管理職が手に入らないんすよ。2流は大企業が全部抑えてるからね

でも世界中から2流が流れ込んでくるアメリカだと、2流人材がその辺に転がってるので、1流の人が起業するとき簡単に2流人材をゲットできる。

すると Amazon みたいな新しい企業でも、たちまち世界規模の会社に育つ事ができるんですよ

一方で日本の新しい企業は1流と3流ばっかりなんで、どうやっても200人規模で頭打ちになりがちなんよね。1流は中間管理職なんか嫌がるし、3流は能力足りないし。
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この論議の中心にある「優秀な人材の流出」については、事実に基づいて見ることが必要です。しかし、その中でも抜け落ちているのは、質だけでなく人材の「量」について考えることです。つまり、人口規模がアメリカと比較して小さい日本であっても、有能な中間管理職を供給するための「資源」は存在します。日本には優秀な人々がいますし、そのほとんどが外国へ移住するわけではありません。そして、我々は適応能力の高さや独特の敬意をもつ文化といった、日本人が持つ特性を見逃してはいけません。

日本の教育制度は学生に厳格な勉強習慣と高い学業成績を求めます。その結果、独自の問題解決スキルや緻密さを持つ、高度に教育された労働力が生み出されます。その中には、高度な専門知識を持つ人々も含まれており、彼らは企業の組織構造において中間管理職の役割を果たすことができます。

また、「2流」の人材がアメリカに流出するという見方には一定の誤解があります。日本で成功しなかったからといって、その人が必ずしも「2流」であるとは限りません。人々は自身のキャリアやライフスタイルの選択を、多くの要素に基づいて行います。それは、経済的な利益だけでなく、文化的な好み、家族との関係、生活の質などを含みます。つまり、海外に移住する人々の中には、単に自分の能力を最大限に活用したい、新たな挑戦を求めている、または異文化を体験したいと考えている人々も含まれています。

さらに、アメリカの企業が急速に成長するのは、単純に人材が豊富であるからだけではありません。アメリカのビジネス環境は、新たなアイデアイノベーションに対する高い容認性を持ち、リスクを取ることを奨励します。これは日本の伝統的なビジネス文化とは異なる部分であり、その結果、アメリカでは新興企業やスタートアップが大規模な成功を収める機会が増えます。


しかし、日本でもこうした風潮は変わりつつあります。例えば、日本政府はスタートアップや新技術を育てるための多くの政策を施行しています。投資環境の改善、規制緩和、国内外のネットワーク形成などを通じて、日本の新興企業も世界的な成功を目指す機会が増えてきています。

さらに、グローバル化が進む今日では、物理的な距離は以前ほどビジネスに影響を及ぼさなくなっています。日本の企業でも海外の市場にアクセスし、国際的な人材を採用することが可能になりました。これにより、日本の企業も大きなスケールのビジネスを展開する機会が増えています。

人材の「流出」を単純な問題として見るのではなく、その背後にある要因や影響を理解することが重要です。そして、日本でも「1流」の人材が成功を収めるためには、「2流」の人材が必ずしも不可欠とは限らないことを認識すべきです。人材の質を維持・向上させるためには、組織内での教育・育成や、外部からの人材確保というよりは、良好な働きやすい環境や職場の風土を整備することが重要となります。